『まなぶ』5月号には表記のタイトルで締め切りに間に合わせました。発売は5月はじめです。マイナー雑誌ですが、毎号、力をふりしぼって書いていますので図書館などに購入希望を出して下さるとうれしいです。合わせて『マスコミ市民』5月号には「国民の命より聖火リレーを優先する『非情』~今、マスコミが伝えなければならないこと」を書きました。
機会あれば是非、お読み下さい。また『いのちとくらし研究所報』最近号に書きました「コロナ禍と国民のスポーツ・健康状況の変化~『ポスト東京五輪』の憂鬱」に関心のある方、コピーを差し上げます。この雑誌も巷ではお目にかかれないマイナー雑誌です。ご一報下さい。もしできれば返信用封筒(B5)に140円切手をお貼りいただくと助かります。
新しい記事を紹介しましす。『アエラ』最近号です。
政府は具体的な目標を
――問題視するのは、具体的な目標を打ち出さない政府の対応だ。
そもそも、政府がどのような状態を目指しているのか、目標がわかりません。菅義偉首相は「国民の皆さんの命と健康を守り抜く」「新型コロナウイルス感染症を一日も早く収束させます」と言いますが、抽象的で、人によって解釈が変わります。感染者ゼロを目指すのか、それとも1日の感染者数が数百人程度になればそれでよしとするのか。具体的な目標を明らかにするべきです。
――国内の新型コロナウイルスによる死者はすでに9千人を超えている。岩田医師は、「感染者増加に4週程度遅れて死者の報告が増加するので、死者が1万人を超えるのは時間の問題」という。
これだけ大勢の死亡者が出ている国は東アジアにはありません。米ジョンズ・ホプキンズ大によると、日本の人口10万人あたりの死亡者数は7.53人。韓国(同3.45人)や中国(同0.35人)などと、差が大きくなってきています。
亡くなった方の多くは高齢者です。経済を回すにはある程度は高齢者が亡くなるのは仕方ない、という目標も、理論的にはあり得るでしょう。もし責任ある政治家がそう考えているなら、きちんと国民に、日本の経済を守るためにこうしたいと説明し、国民の納得を得るべきです。
しかし、実際には、上っ面のきれいごとしか言いません。具体的な目標を掲げると、達成できなかった時に失敗したと非難されるからでしょう。責任を回避するような態度からは、経済界などにも忖度しながら何となく落としどころが見つかればいいといった、やる気の無さしか感じられません。
――東京五輪開催まで100日を切った。だが、収束までのロードマップはない。
東京五輪・パラリンピックについてもいまだに「開催する」と言うだけで、感染状況がどうなったら、どのような形態で開催できるのかを責任者は誰も明確にしません。
観客を一切入れず、選手と関係者だけにすれば開催は不可能ではないかもしれません。ただし、それでは、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証し」としての開催にはなりません。しかも、今のような国内の感染状況では、危ないから選手団を派遣できない、という国も出てくるかもしれません。
(構成/科学ジャーナリスト・大岩ゆり)
※AERA 2021年4月26日号より抜粋
今日の午後には明日の講義のために東広島に向かいますが、明日夕方には四国に戻ります。
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